どくのメモ帳

どくイモムシの毒吐き場。

うごメモRPG「魔女王の聖杯」

ボブの物語 ◆ブッダストロング◆

「やーい!お前の父ちゃん、スゴロク持って帰ってくるよ!」
「スゴロク持って帰ってくるよ!」
「うる……うるっせえよ!」
「やーい!」「やーい!」


「う……うふっ、うふっ……」
ボブは川沿いの土手に体育座りをして、自分の泣き声を噛み殺します。
「来るんだよ……父ちゃんきっと、スゴロク持って、帰ってくるんだよ」


彼は自分に言い聞かせます。
父さんが帰ってくるはずの日から今日でまる一年経ってしまいました。
薄々気づいているんだ。ひとは、いつまでも子供ではいられない。


そう、あの日、西の港町を目指して旅立ったお父さん……
お土産に、スゴロクを持って帰って来ると約束して……それきり。
ニックとマイクは、いつもボブを、いじめるのでした。


「わかってるんだ……世の中ってクソなんだ」
ボブは川に石を投げます。
「いないんだ。森の女王、魔女の元帥、オオカミの剣、サイヴァーニンジャ、みんなウソだ。
白ひげの大パイ賊は年老いて、パイ賊王の息子はスガワラ・ブンタめいたはてなスタッフの拳で貫かれて死ぬ。」


「ほう、では、このわたしも、いないかね?」

だれかがボブの頭にやさしく手を置きました。
その手はひんやりとしていながら暖かく、まるで雪解けをつげる風のようでした。
「え」
ボブは顔をあげます。エルフのせんしがにっこりと微笑みました。


ボブとエルフのせんしは、いっしょに顔をあげました。そして空を見ました。
「オーロラだ」
ボブは驚きのあまりあんぐりと口を開けます。なんて綺麗な!魔性!
それだけではありません!ごらんなさい!


「ウェルカムトゥーザファンタジーゾーン!!ゲットレディ!!」
ふしぎなこえが夜空に轟くと、オーロラのなかから!
白いけむくじゃらの竜が飛び出したのです!
りゅうの頭には、藍色に輝くジャー☆ジ装束をきた英雄まほう使いがまたがり、
ボブとエルフのせんしに手を振ったのです!


「ああ!ああ!なんてことだ!ニンジャナンデ!!」
ボブは喜びのあまり、ぼろぼろと涙をこぼしました。
英雄まほう使いの後ろにまたがる
モヒカン頭でPSPめいたゴーグルの男の後ろにまたがるあの人は!
「お父さん!」


「やあボブ!すまなかった。いだいな冒険に巻き込まれてしまってね!とう!」
お父さんはりゅうの背から飛び降りると、パラグライダーを展開して、
ボブの隣に降り立ちました。そしてボブをやさしく抱きしめたのです。
「ごめんな。本当にごめん。」
「お父さん!」


「シュテムターン!」
英雄まほう使いの笑い声が遠くにきこえます。
「アイエエエエ!!ニンジャ!?ニンジャナンデ!??」
ニックとマイクがけむくじゃらの竜に追い回されています。
いいおきゅうをすえられた事でしょうね。
やがて竜と乗り手はオーロラの中に消えました。


「お土産があるんだ」
お父さんは美しい箱を差し出します。
「スゴロクだよ。約束したろう」
「お父さん!おーんおんおんおん!」
ボブは、泣いて泣いて、泣きました。
……そして、自分の泣き声で、目が覚めました。いつものベッドで。


そこには、りゅうも、エルフのせんしも、いません。
お父さんも、いません。ボブは寂しい笑いを浮かべました。

「……わかってるさ」

ボブは電気をつけようとしました。そして気づきました。
箱?スゴロクの箱!?箱が床に置いてある!


「ボブ。そろそろおりてきなさい。朝ご飯だよ」
階段のしたから、お父さんの声と、タコヤキが焼ける匂いが届いてきました。
「お父さん!」
ボブは駆け出しました。よかったね!
(ハッピーエンド)



涙と鼻水とサイコロの用意はよろしいか。







うごメモRPG「魔女王の聖杯」
ここに開幕である!!!

ここまで書いてつかれたので
後は「あそびかた」を見てください。