「ワールドうごメモギャラリー」で好評だった後、現在Youtube「KANDWAのうごメモチャンネル」にて
毎週月曜〜金曜日夜19:00に連載公開されている「ナビス」シリーズの今週のコメンタリー記事です。
※コメンタリーには各話のネタバレが含まれる場合がありますので、心配な方は先に動画の方を閲覧していただくことを強くオススメします。
「ナビス」第1シリーズだけを観るなら→【こちら】
第2シリーズ「ナビス2」だけを観るなら→【こちら】
ナビス3 #4「皇帝」
【皇帝ナビスの真実編】
前回からの続きで、「皇帝ナビスの真実編」と題した「ナビス2」後半の総集編が続きます。
今回はナビス2の「#19~#21」に当たるお話の振り返り。
いじめっ子ナビス改め「知性ナビス」が大人になり、やがてナビス達の一派を独裁支配する「皇帝ナビス」となるまでの物語です。
以前書いたとおり、知性ナビスが赤ちゃんナビスを手なづけていたのは、知性ナビスの配下として利用するためでした。
他のナビス達が赤ちゃんナビスに教育を施すようになった裏で、知性ナビスは赤ちゃんナビスに邪悪な教育を施し、
そして爪楊枝を使った戦闘訓練まで叩き込んでいたのでした。
知性ナビス自らの教育シーンをよく見ると、黒板代わりのメモ帳に不穏な絵柄が……
「討伐対象」としてバツをつけられているのは、虫、ネズミ、そして…………!!
こうして知性ナビスに育てられ、鍛えられた赤ちゃんナビスが大人になると、皇帝ナビスの命令ひとつで同じナビスにすら刃を向ける
知性ナビスに忠実で残忍な「兵士」として暗躍するのでした。
そして、知性ナビスはついに「皇帝ナビス」として、ナビス達の一派を裏から支配するようになりました。
しかし、ナビス達の一部を支配したからと言って、満足するような皇帝ナビスではなかったのです。
全ては、大いなる恐るべき野望のために…………。
ナビス3 #5「真実」
【ナビスの育て方】
突然変異により高い知能を得たナビスは、その知能の代償なのか
生命活動停止後、果実態から苗になってもひとつしか実をつけないようです。
【皇帝ナビスの真実編】
いよいよ、ナビス2終盤の総集編である「皇帝ナビスの真実編」が今回で完結し、
すべてが「あの夜」へと繋がっていきます。
……が、「流石にこれ以上は作中時間的に皇帝ナビス長生きしすぎだろう」
と思い、残念ながら初代皇帝ナビスは志半ばで崩御、と言うことになりました。
しかし、「亡くなったナビスは他のナビスがプランターへ埋葬し、水を与え収穫まで育てる」
というナビス文明のシステムにより、知性ナビスの息子が誕生、「戴冠の義」によって二代目皇帝ナビスとなったのでした。
初代皇帝ナビスに仕えていたナビス達の教育により、ナビス帝王学を叩き込まれた二代目皇帝ナビスは
先代の野望をしっかりと受け継いだのですが、それでも未だナビス達の思想の統一には至りませんでした。
そこへ、ナビス文明を揺るがす大事件…………「焼きナス事件」が起こったのです。
人間(=主人公)を信じていたナビス達を襲う、人間への疑惑。
それを見過ごす二代目皇帝ナビスではありませんでした。
ここで、ナビス達一同を皇帝ナビスのアジトである押し入れに集め、
大演説を行い、「人間はナビスを捕食する邪悪な存在である」という認識を植え付け、
ナビス達の思想の統一に成功したのでした。
ナビス達を統一したなら、皇帝ナビスのやることはひとつ。
大家さんの視察が入る事が皇帝ナビスに耳に入るやいなや、
その晩に、ついに皇帝ナビスの野望が実行され、ナビス達は主人公の部屋から脱出したのです。
ですが、これも皇帝ナビスの野望の第一段階に過ぎません。
人間の支配から脱出した後は、今度はナビスだけの「安全な居場所」を探さなければなりません。
全3回に渡る「ナビス2」の回想・総集編を終えて、ついに次回から「ナビス達の物語」が動き出します。
ナビス3 #6「前進」
【ナビス帝国の夜明け編】
いよいよ「ナビス2」最終回からの「ナビス達の物語」が動き出し、新章「ナビス帝国の夜明け編」が始まりました。
新天地を求め、ナビス達はただただひたすらに前進し続けます。皇帝ナビスの意思のままに…………
「進む、進む ナビス達は進む」というフレーズが繰り返される詩のようなナレーションが気に入っている回です。
「俺は自分の苦しみから逃げない!!!!逃げるくらいなら…………自分から苦しみに突っ込んでやるッッッ!!!!!!!!」
……と言い切ったからには、ナビス達の旅もそれはそれは過酷で残酷なものにしていきました。
車に轢かれたナビス。
飲み水が枯れ、あえなく干からびて死んだ赤ちゃんナビス。
下水に流され、ぶよぶよナビスになって沈んでいく赤ちゃんナビス……
かなり残酷なシーンが続きますが、ワールドうごメモギャラリーではなぜか規制には引っかからずそのまま公開され続けました。
人間じゃなかったらいいのでしょうか?
あと、没になった死亡シーンには、排水口の蓋の隙間を大人ナビスや子ナビスはらくらく飛び越えていきますが、
転がって移動する赤ちゃんナビスだけは隙間を飛び越えられず落ちていく、というのもありました。
…………しかし。
「自分から苦しみに突っ込んでやるッッッ!!!!!!!!」とは言ったものの、本当にナビス達を苦しめるシーンを描いていた私はナビス達とともに「苦しんでいた」のでしょうか?
むしろ、ナビス達を痛めつけ、泣き叫ぶシーンを描くことを、私は愉しんでいたのではないか────
………………………。
木を隠すなら森に、ナビスを隠すなら畑に。
ナビス達は過酷な旅の途中、亡くなったナビスをそのへんの畑などに植えて繁殖し、辛うじて絶滅を免れていました。
そして、その中から新しい皇帝ナビスも…………。
ナビス達の脱出から一ヶ月後。
ナビス達は人里を離れとある山奥へ向かいました。
あれだけたくさんいたナビス達も、過酷な旅でだいぶ数が減ってしまいました。
そして、皇帝ナビスが発見したのは────
壊れた蛇口から流れ続ける「水」。
ナビスの亡骸を植えるのに最適な「土壌」。
そして、ナビス達の新たな繁栄を守る「山小屋」。
ついに、ナビス達はたどり着きました。
ナビスに必要なものをすべて備えた、ナビス達の新たな繁栄を約束する「新天地」に。
今ここに、新たなる「ナビス帝国」の夜が明けようとしていました。
そして、「その先」に待ち受ける、皇帝ナビスのさらなる野望と、ナビス達の未来とは……。
ナビス3 #7「事件」
【ナビスの育て方】
ナビスは生命活動を停止すると、臓器が種を育てるための果肉へと変化するため
その断面はナスビとなんら変わりなくなります。
【ナビス帝国の夜明け編】
ナビス達は長い長い旅の果てに、新たな安住の地を見つけました。
しかし、そのまま山小屋の中で平穏に暮らし続ける事など、皇帝ナビスは許しはしませんでした。
そう。平和な日々を描き続けるだけでは、わざわざ主人公の家から脱出させた意味がない…………
新たな「領土」を得た皇帝ナビスのさらなる野望。それは、
「ナビス帝国の領土をさらに拡大し、そのための脅威を排除する」こと。
こうして、ひとつの「事件」が起こり、ついにナビス達が人間の目に触れてしまいます。
ナビス達の失踪から三ヶ月後。主人公の暮らす街から二駅ほど離れた街で、とある男の飼い猫「ナホコ」が殺害されました。
「ナホコ」の叫び声と、別の金切り声を聞いて男が駆けつけると、そこには紫色の小人達、ナビス達が…………!!!
ナビス達はもはや、マンモスに集団で立ち向かう原始人のように、集団で巨大な敵をも討ち果たすほどになりました。
人間に発見され、さすがに撤退したナビス達ですが、その中の一匹が男の怒りの投石を受けて即死してしまいます。
男はナビスの死骸を手に交番へ向かい、事の次第を涙ながらにお巡りさんに訴えますが、
男がひどく泥酔していたこと、男が持ってきたナビスの死骸は他の人間にはただのナスビと変わらないものであることから、
お巡りさんにはまったく信じてもらえず、ナビスの存在はひとまず明るみに出ることはありませんでした。
実は裏設定として、「ナホコ」という猫の名前は飼い主の亡くなった妻の名前であり、
妻が亡くなって3日後に庭に迷い込んだ野良猫を妻の生まれ変わりだと信じて疑わず、
「ナホコ」と名付け、実の妻のように大切に育てていた、というものがあります。
また、ナホコの飼い主の息子である小学生「コウスケ」が子ナビスにいじめられていた赤ちゃんナビスを発見して育てる「ナビス3外伝 チビマル」という物語も考えていました。
赤ちゃんナビスを「チビマル」と名付けて大人ナビスになるまで育てていたコウスケですが、父の飼い猫ナホコがチビマルそっくりの生き物に殺害され、
チビマルを隠して育てるようになるも、陽の光に当たれなくなったチビマルは弱ってしまい、慌てて窓からの光を当ててあげたところに
コウスケの父が現れ、ナホコの敵そっくりの生き物をコウスケが隠れて育てていた事に激怒し父はコウスケを殴りまくります。
父に殴られながらも「チビマル!!逃げろ!!逃げろ──────ッ!!!」と必至に叫ぶコウスケの声に応えチビマルは逃げ出しますが、
そこへハンマーを手に、チビマルを叩き潰さんとコウスケ父が迫る…………!!
というところで、騒ぎを聞きつけた付近住民の通報により、コウスケ父は小児虐待の罪で現行犯逮捕されます。
しかし、コウスケは警官たちに保護され、チビマルとは離れ離れに…………
その後の展開としては、
(1) コウスケの帰りを空っぽの部屋で待ち続けるチビマル。次第に弱っていき、そして……
(2) コウスケを乗せたパトカーを追うチビマル。そこへナビス帝国の遠征兵(=赤ちゃんナビスの頃のチビマルをいじめていた子ナビス)が迫る。死闘の末チビマルはナビス兵を退けたが、瀕死の重傷を負い……
どちらの展開にせよ、ラストシーンは上記の件がトラウマになってコウスケはナスビが大嫌いになり、
成長したコウスケは、ナスビを食卓に出した妻を張り飛ばす虐待男になってしまう…………という、バッドエンド一直線の物語でした。
結局、さすがの私でも「こんな話誰が喜ぶんだ!!」という思いが噴出し、またこれ以上他の作品を執筆する余裕もなかったので、
「ナビス3外伝 チビマル」はお蔵入りになりました。
さて話を「ナビス3 #7」に戻すと、ナビス失踪から三ヶ月、主人公もすっかりナビス達を探しに行く日が少なくなってしまいました。
そんな中、部屋が静かすぎるのが嫌で適当に流していたTVのニュースから、上記の飼い猫が殺害されたニュースが流れます。
まさか主人公も犯人がナビスとは夢にも思わず、「……イヤな事件だ……。早く犯人が捕まってくれるといいけど……。」とつぶやくのみでした。
そして、猫殺害事件の「犯人」の手がかりひとつ掴めぬまま、
その町ではペットや野良犬、ネズミなどが怪死する事件が多発したのでした…………。
ナビス3 #8「発展」
【ナビス帝国のひみつ】
ナビス帝国のナビス達は、以下のような階級・役職が与えられています。
★皇帝ナビス
ナビスの中で最も高い知能を持つ「知性ナビス」。代々ナビス帝国の頂点に君臨する。
没後、ひとつしか実をつけないため皇帝ナビスが芽を出さない死に方をすると皇帝ナビスの血族はそこで途絶えてしまう。
☆ナビス元帥
ナビス帝国の兵士の中で最も優秀なナビスが就くナビス帝国軍の最高司令官。
皇帝ナビスが代替わりした際に大人ナビスになるまで育てる使命もある。
☆ロイヤルガード
皇帝ナビスの居城を護る、ナビス帝国軍の最高の精鋭部隊。
☆都市防衛ナビス
山小屋のなかに築かれたナビス帝国の都市と「市民ナビス」を、侵入する虫などから守る防衛部隊。
☆国境警備ナビス
おもに山小屋の外を警備し、外敵の侵入から山小屋を守ったり、山小屋から脱走しようとする
ナビスを連れ戻したり、時には殺害したりする防衛部隊。
また、亡くなったナビスの亡骸を畑に植え、赤ちゃんナビスが実るまで育てるのも彼らの仕事。
☆資材調達ナビス
ある程度山小屋の外に出ることを許されたナビス帝国軍の一種。
山の中にある様々な物資をナビス帝国へ持ち帰る。
あまり戦闘が得意ではないナビスがこの任に就く。
そのため、国境警備ナビスの一部が資材調達ナビスの護衛につくことも。
☆遠征部隊ナビス
ナビス帝国の領土拡大のために、ナビス帝国を遠く離れ、各地に「駐屯基地」を作り、
虫、犬猫などナビス帝国の驚異を排除するナビス帝国軍の精鋭部隊。
下記の「研究開発ナビス」によって開発された「電池自動車」の発明により、遠征部隊ナビスの活動範囲は飛躍的に広がった。
だが、どれだけ遠征部隊ナビス達の駐屯基地が増えようとも、ナビス達の「最大の脅威」が排除されない限り
駐屯基地周辺が正式にナビス帝国の領土となったとは言えない。
・研究開発ナビス
資材調達ナビス達が持ち帰った資材を研究し、新たな技術や兵器を開発するナビス。
研究内容によっては、実験は命がけのものになることも。
「市民ナビス」の中で、ナビス帝国内の学校で優秀な成績を修めたナビスが皇帝ナビスの元へ徴収されこの任に就く。
皇帝ナビス直々の教育を受け、他のナビスよりも優れた知能を持つ研究開発ナビスは、下記の「市民ナビス」達の憧れだ。
・市民ナビス
ナビス帝国の都市の中で暮らしているナビス達。ナビス帝国の階級では最低ランクであるものの
兵隊ナビス達に守られて安全が保証されているためか、兵隊ナビスに比べて温厚で善良なナビスが多い。
だが、山小屋の外へ出ることは許されない。
基本的に市民ナビスは市民ナビスの畑で、兵隊ナビスは兵隊ナビスの畑で育てられるが、
兵員が不足している、あるいは増強したい時は、市民ナビスの亡骸が兵隊ナビスの畑で育てられることも。
【ナビス帝国の夜明け編】
ナビス達の失踪からはや半年、山小屋を新たなナビス帝国と定めてからおよそ5ヶ月。
今回はナビス帝国が約5ヶ月間でどんどん発展していく様子が描かれます。
作中ではもっと後で明らかになることですが、ナビス帝国の山小屋がある山は不法投棄で問題になっている場所で、
そこからナビス達が様々なものを拾っては研究していきました。
「電池」を持ち帰ったことで「電気」が発見され、やがて「電池自動車」が発明されました。
おもちゃのリボルバー拳銃に使う、大きな音を出すための「火薬(今でもあるのでしょうか?)」の発見により、やがて「機関銃 」が発明されました。
「車のバッテリー」を持ち帰ったことで、バッテリーを「発電所」代わりにしてナビス帝国に電気が行き渡り、市民ナビスの住まいに明かりが灯りました。
そして、その裏では「研究開発ナビス」により、ナビス達の「最大の脅威」を排除するための恐ろしい研究が進んでいたのでした…………
部屋に豆電球の明かりが灯り、にこやかに笑う大人ナビスと、その周りではしゃぎ回る子ナビスたち。
あれが「市民ナビス」であり、上記の通り兵隊ナビスよりも穏やかで平穏に暮らしていたナビスもちゃんといたのでした。
「自動車だの、機関銃だの、発展が急すぎるのではないか?」と思う人もいることでしょう。
ですが、ここで「人間の1時間は、ナビスにとって同じ1時間とは限らない」というテーマを思い出してください。
人間の1ヶ月間は、ナビスにとって約50年分の時間に相当します。
すなわち、ナビス帝国建国から5ヶ月間で、ナビス帝国は約250年分の進歩と発展を遂げてきたことになるのです。
さらに、そこに皮肉にも人間の遺物が入り込んだことにより、さらにナビス達の研究・発見・発明を促していったのです。
そして………… さらなる発展を遂げたナビス帝国が、いよいよ「最大の脅威」に引き金を引く時まで、秒読みが始まっていたのでした…………。
次回、意外な箸休めのほっこり回から、
ついにナビスが人類に牙を剥く急展開!!
さらにナビスが人間に発見された!?
ナビス帝国最強の兵器が完成!??
そして…………全ナビス読者が凍りついた、
「あの夜」がやってくる。
来週も、レッツ・ナビス!!