どくのメモ帳

どくイモムシの毒吐き場。ゲームレビュー記事「超ファミコシ珍拳EXPRESS」も連載中。

社長が聞く「絶乳戦姫ヴァインヴァイン」

本文の一部を引用される場合は、必ず、本ページのURLを明記、または本ページへのリンクをしていただく必要はありまん。

業界が戦慄した「パイ乙戦士プル・プールン3D」発売中止宣言、
そして溝口宗平プロデューサーの失踪から半月。

なんと謎の覆面プロデューサー「ヤッパイ」率いる「パイソフト」から
パイ乙戦士プル・プールンの元開発スタッフによる完全新作、
「絶乳戦姫ヴァインヴァイン」が発表された。

さらに先日、胸踊るプレイ動画も最速で配信。

事態を重く見たニンテンドン社長・岩茶シャトルは、
当時予定されていた溝口宗平Pへの「社長が聞く」の内容を変更し
謎の覆面プロデューサー・ヤッパイ氏への独占インタビューを断行したのだった!!

開発発表されてまもないゲームに対し「社長が聞く」が行われるという
異例の事態の中、果たして岩茶社長は何を聞き出すのか。



1.「パイ乙戦士」から「絶乳戦姫」へ

岩茶:
ニンテンドン社長の岩茶です。

ヤッパイ:
株式会社パイソフトのヤッパイです。
本日はお会いできて光栄です。

岩茶:
今日はどうぞよろしくお願いします。

ヤッパイ:
はい、よろしくお願いします。

岩茶:
本日は、「社長が」…

ヤッパイ:
揉む!!!!

岩茶:
いやいやいや(笑) 何を揉むんですか。
「社長が聞く」ですよ。

ヤッパイ:
略して「しゃちょきく!」

岩茶:
変な略し方しないで下さい(笑)。
えー、本日は本当なら「パイ乙戦士(笑)プル・プールン(笑)」の
「社長が聞く」になるはずだったんですよね。

ヤッパイ:
そうへいさん… いやな事件だったね……。

岩茶:
で、パイソフトのプロデューサーであるヤッパイさんが
株式会社ソーヘイのスタッフを説得してプロジェクトを開始した
訳なんですが、最初はやっぱり「プル・プールン3D」の開発を
引き継ぐつもりだったと聞きましたが…

ヤッパイ:
そうですね。プル・プールン3D開発当初はライバルとなるちょいエロソフトも
ありませんでしたが、今ではね、ほら、アレが。

岩茶:
閃乱カグラ*1… ですか。

ヤッパイ:
そうです!そうへい氏もあれを見て失踪するハメになっちゃった。
私もあのゲームはプレイしましたけど、そうへい氏のためにもアレは
絶対に超えなければと思いましたね。
で、そこまでの段階で出来上がっていた「プル・プールン3D」では、
どうしても力不足を感じてしまったんです。

岩茶:
で、それならいっそ完全新作で勝負しようと…。

ヤッパイ:
そうですね。
で、あわよくばそうへいさんをも超えてやろうという野望も…(笑)。

岩茶:
でも、やっぱり内部の反発も大きかったんでしょう?

ヤッパイ:
もちろんですね。ひどかったですよ。
「どんな判断だ!金をドブに捨てる気か!!」ってね。
そこで私、夜も寝ないで昼寝してチラシの裏900枚以上に及ぶ
企画書とデザイン案を用意して見せてやったんです。
そうしたら、ようやく皆折れてくれたようで。

岩茶:
熱意が伝わった、と。

ヤッパイ:
はい。

2.アクションゲームが一番楽しかった時代へ

岩茶:
で、「絶乳戦姫(笑)ヴァインヴァイン(笑)」の制作がスタートした訳なんですけど
そこでジャンルがRPGから横スクロールアクションに変わってますよね。
そこはやっぱり、ヤッパイさんの提案だったんですか?

ヤッパイ:
そうですね。閃乱カグラもアクションでしたから。
ただ、私としてはカグラに対抗したと言うよりは単にアクションゲームが
好きだったからですね。

岩茶:
ちなみに、どのようなアクションゲームがお好きなんですか?

ヤッパイ:
他社のソフトの名前、言っちゃっていいんですか?

岩茶:
どうぞ(笑)

ヤッパイ:
そうですか。私が一番好きなのはやっぱりスーパーファミコシ時代のソフトですね。
「がんばれゴエマン*2」とか。「ロックモンX*3」とか。
で、そうした時代のアクションゲームをいいとこ取りしたくて、いろいろ詰め込んでもらいました。
理想としては、「ノリはゴエマン、アクションはロックモンX」ですね。

3.ノリはゴエマン、アクションはロックモンX

岩茶:
ノリはゴエマン… と言いますと、「ヴァインヴァイン」も
コミカルな雰囲気になるんですか?

ヤッパイ:
そうですね。「閃乱カグラ」も「ときどき魔女裁判!*4」もそうだったんですが
最近のちょいエロゲーではシナリオがシリアスになる傾向が多いんですよね。
やっぱりシナリオライターが「ただのエロネタゲーで終わらせたくないっ!」って
抵抗しちゃうんでしょうかね。
でもね、私やっぱりそういうの好きじゃないんですよ。

岩茶:
コミカルな方がいいと。

ヤッパイ:
やっぱりエロとバカは愛称がいいと思うんですよ。
どうせなら開き直ったほうがいいと思います。
「おっぱいの大きさを戦闘エネルギーに変換する」なんて設定、
どう考えてもバカでしょ?

岩茶:
確かに(笑)

ヤッパイ:
変に気取ってもボロが出るだけだと思いますし、やっぱり本物の
少年漫画やライトノベルに敵うはずはないんです。
それだったら、いっそウチでしかやれないことをやろうと。

岩茶:
いい心構えで(笑)
設定を見た限りでは、変身ヒロインものだと思うのですが…

ヤッパイ:
そうですね。異次元から悪の盗賊団がやってきて、それを追って正義の女博士もやってきて、
その女博士が主人公に変身システムを託すんです。
でもその女博士、敵に変身システムのプロトタイプとタイムマシンの設計図を盗まれてしまうというオマヌケぶりで(笑)
しかし敵も敵で、盗賊団の首領も女性なんですが猫耳とシッポが生えていて
普段は高飛車なんだけど、弱気になると「◯◯だニャ〜」と地の喋り方が出てしまったり(笑)

岩茶:
まともなのは主人公だけ、って感じですか。

ヤッパイ:
そうかも知れません(笑)。
でも、ただ荒唐無稽なだけじゃなくて、アクションゲーム、なおかつ変身ヒロインものとして
やはりプレイヤー自身が熱くなれるシチュエーションも設けてありますので。

岩茶:
やはり男として譲れない部分もあると。

ヤッパイ:
なんだかんだで男がプレイするものですからね。

4.やっぱりアクションゲーム、好きだな

岩茶:
さきほど「プレイヤー自身が熱くなる」とおっしゃいましたが、
シナリオ以外にもゲームの難易度的にはどうなんでしょう?

ヤッパイ:
本編となる「ストーリーモード」ではそんなに難易度は高くありませんよ。
ただ、「お楽しみ」である「エクストラブレイク*5」をすべて見ようとしたり
タイムアタックを狙ったりすると、それ相応に難易度が上がりますよ。
たとえば、「ヴァインヴァイン」にはいろいろな武装があって最初から好きに選べるんですけど
射撃系の武器だと楽に進めるんですが、そのボスのエクストラブレイクを見るには不利な近接系の武器で進めなくてはならない(笑)。

岩茶:
あらゆる意味でいやらしい(笑)。

ヤッパイ:
あと、ステージごとにリプレイ動画をSDカードに保存できるようになっているので、
よりヒーローらしい、華麗なプレイを極めてみるのもオススメですよ。

岩茶:
私もヤッパイさんの一番最初のステージのリプレイ動画を見せてもらったんですが
ものすごく速いですね(笑)

ヤッパイ:
ダッシュダッシュジャンプ、壁キック、空中の敵を踏んづけてのジャンプと
あらゆるテクニックを駆使して頑張らせてもらいました。
まぁ、まさか岩茶社長に見ていただけるとは思ってませんでしたけど。
閃乱カグラ」もそうだったんですが、最近のゲームは敵がワラワラ出てきて
それをボタン連打のコンボでなぎ倒す、ってのがやたら多くて。
別に悪いとは言いませんけど、私どもはあえてそれに逆らいたい(笑)。

岩茶:
ここでも、男として絶対に譲れないものが。

ヤッパイ:
そうです!
あと私は「実績*6」システムが大嫌いで。
あれのせいでやるゲームやるゲーム、みんな嫌になっちゃった。
おたくの「スーパーマサオ3Dラドン」くらいじゃないですかね?今、実績的なものがないの。
あ、でも「真・ピッカリ神話 パルチナの鑑」の実績システムはひどかったかも(笑)

岩茶:
申し訳ない(笑)。

ヤッパイ:
いやいやとんでもない(汗)。
で、ウチの「ヴァインヴァイン」ではそういう実績システムはバッサリ切ったんですが。

岩茶:
思い切りましたねぇ。

ヤッパイ:
そのかわり、ストーリーモードをクリアした後に更に難しいステージをプレイできるようにしました。

岩茶:
まだ難しくなるんですか!(驚愕)

ヤッパイ:
本編をクリアする頃には、どうにか隠しステージに通用するくらいの
スキルが身につくようにはするつもりです。
まぁ、そう簡単には飽きさせませんよ。

岩茶:
実績システム云々よりも、まずはアクションゲームとしての楽しさで勝負したいと。

ヤッパイ:
そうですね。私が一番アクションゲームが好きだったスーパーファミコシ時代は
まさに4色のボタン*7が手足であり最強の武器でしたから。
実績システムなんかなくたって、いや、なかったからこそ何回でも最初から楽しめた。
「星のディービィ スーパーデラックス*8」なんか、何度セーブデータが消えても最初からやり直しましたから。

岩茶:
とことん時代に逆らうおつもりで(笑)。

ヤッパイ:
たとえ、「絶乳戦姫ヴァインヴァイン」をおっぱい目当てで買った人であっても、
最後まで進めたら「あ、やっぱりアクションゲーム、好きだな」
って言っていただければ幸いだな、と。


岩茶:
えー、ヤッパイさんはアバンギャルドなゲームを作られる方だと思っていたんですが
想像以上にアバンギャルドで(笑) でも、それ以上にゲームに対して真摯で熱いものをお持ちな方だと言うことが分かりました。
本日はありがとうございました。

ヤッパイ:
いえいえ、こちらもこんなド新人のためにわざわざありがとうございました。

岩茶:
せっかくなので、最後にひとつ聞いておきたいのですが。
「絶乳戦姫ヴァインヴァイン」の変身システムの名前が
「コードB・Q・V」って言うんですが、これって何の略ですかね?

ヤッパイ:
言わせるおつもりで(暗黒微笑)?

岩茶:
お願いします(笑)

ヤッパイ:
「BQV」とは、「BONE Q-TE VINE(ボーン・キュート・ヴァイン)」の略です。
素早く言うと………


ボン!キュッ!!ヴァイーーーーーーーーーーーン!!!!!!


岩茶:
……ありがとうございました。

*1:昨年9月にアッーヴェラスより発売された「爆乳ハイパーバトル」アクションゲーム。ニンテンドン3BSにおける「ちょいエロソフト」の先駆けとなった。

*2:1990年代にコミカルな世界観でヒットしたKONMAIのアクションゲーム・シリーズ。天下の大泥棒・石川五右衛門をモチーフとしている。スーパーファミコシ版では巨大からくりメカ「ゴエマン・パックンチョ」が登場しさらなるヒットの火付け役となった。

*3:1990年代にヒットしたカプコソのアクションゲーム。高い難易度で人気のシリーズ「ロックモン」のスーパーファミコシ用の新シリーズで、ダッシュや壁キックなどの新アクションの導入によりアクションの奥深さが増した。

*4:2007年にゲームボーズDSで第1作が発売されたSMKクレイモアのタッチアドベンチャーゲーム。女の子の身体にタッチして魔女の正体を暴くという衝撃的なゲーム内容が話題となったが実際はキャラクター性やシナリオが評価された。

*5:「絶乳戦姫ヴァインヴァイン」の独自システムの一つ。ボスを特定の武装・条件で必殺技を使って倒すと特別なカットインが挿入される。いわゆる、脱衣シーン。

*6:プレイ結果によって開放されるコンプリート要素の総称。一つのゲームにつきどれだけ開放できたかがゲーマーのステータスとなる。

*7:スーパーファミコシのコントローラーでは、A、B、X、Y、の各ボタンがそれぞれ赤、黄、青、緑に色分けされていた。

*8:ダンッ!! 0% 0% 0%