「ワールドうごメモギャラリー」で好評だった後、現在Youtube「KANDWAのうごメモチャンネル」にて
毎週月曜〜金曜日夜19:00に連載公開されている「ナビス」シリーズの今週のコメンタリー記事です。
※コメンタリーには各話のネタバレが含まれる場合がありますので、心配な方は先に動画の方を閲覧していただくことを強くオススメします。
「ナビス」第1シリーズだけを観るなら→【こちら】
第2シリーズ「ナビス2」だけを観るなら→【こちら】
ナビス3 #19「追跡」
【ナビス戦争・とある保健所職員の手記編】
さあ、とある保健所職員「藤島」さんの戦いも後半戦に突入し、
いよいよ「ナビス3」、そして「ナビス」シリーズ完全完結まであと2周間となりました。マジか!!
今回は、「藤島」さんが加わったパープル・リリパット駆除部隊結成から3日間の間に起こった出来事の話。
駆除部隊はとうとう数千匹のパープル・リリパットを駆除せしめ、その生態を明らかにしていきました。
各地に作られたパープル・リリパットの巣(駐屯基地)。そして苗とリリパットの子供。
流石に生捕りとはいきませんでしたが、パープル・リリパットの死骸や兵器の残骸も秘密裏に専門家の手に渡り調べられました。
しかし、数千匹の駆除成果を上げてもなおパープル・リリパット全滅には至らない中、
「パープル・リリパットの大規模な巣がどこかにある」という仮説のもとに、被害報告・駆除報告があった地点をまとめると
●●市の郊外のとある山の周辺に報告が集中していることが判明。
駆除部隊はこの山の中にこそパープル・リリパットの大規模な巣があると断定、
三市の駆除部隊の中で優秀な隊員を集めて大規模駆除作戦を開始することになりました。
そして、「藤島」さんも優秀な隊員のひとりとして大規模駆除作戦に参加することになったのです。
人類とパープル・リリパット、最後の決戦が始まろうとしていました。
ナビス3 #20「突入」
【ナビス戦争・とある保健所職員の手記編】
いよいよ、「とある保健所職員の手記編」も最終決戦が始まろうとしていました。
●●市内のとある山中にパープル・リリパットの大規模な巣があると割り出され、「藤島」達は
12月30日深夜、山中での大規模駆除作戦に参加することになりました。
夜間の話ということで、タイトルロゴも黒背景に青字と夜っぽくしてみました。
そしてここで、「ナビス帝国」本拠地が存在するこの山が、数年前に所有者が亡くなって放置されていたこと、
そして不法投棄が問題になっていたことが本編内で明かされます。
できることなら、年が明ける前に決着を…………!!
そう強く願う藤島達が見たものは、山中に敷かれた小さな道路…………
ナビス達はもう、地面を舗装する技術まで身につけていたようです。
そこへ、道路を駆けていくパープル・リリパットの隊列。その後を追いかけて藤島達が見つけたのは…………
そう、あの日ナビス達が新たな繁栄の場所と定め、そして今ナビス帝国が築かれている、あの山小屋でした。
山小屋の周囲はナビス達の手によって変わり果て、ズラリと並ぶナビスの畑に、
さらには一斗缶で作られた基地に、舗装され誘導灯まで設置された「滑走路」。
一方その頃、ナビス帝国に座すナビス皇帝の前に、新兵器の完成が報告されました。
それは、ナビスの「爆撃機」に搭載されるであろう「焼夷弾」!!!
これが本格運用され、量産され、ナビス爆撃機によって街にバラ撒かれれば、たとえ小さくともその被害は甚大なものになるでしょう!!!
そんな事になっているとはつゆ知らず、藤島達はこの山小屋がパープル・リリパットの本拠地と断定し、突入します!!!
ナビス3 #21「炎上」
【ナビス戦争・とある保健所職員の手記編】
いよいよナビス帝国へ人間達が突入します!!
そして…………ナビス帝国、炎上。
山小屋へ突入した藤島達が目にしたものは、一斗缶などを積み上げて作られた、パープル・リリパットの「都市」!!
…………その時、物音に気づいて窓から都市の様子を覗いたナビス皇帝が見たものは、まさに地獄絵図でした。
そしてナビス皇帝は思い知ります。自分達が最大の敵とみなして戦おうとしていたものの、本当の力と恐怖を。
号令一下、一斗缶ビルは次々と殴り倒され、市民ナビスは逃げ惑い、駆けつけた都市防衛ナビスも殺虫剤散布で一網打尽にされ、
ナビス皇帝が、ナビス達が築き上げた都市は死屍累々となり、そして人間たちがズカズカと迫り来る…………
この「人間達が迫り来る」シーン、映画「風の谷のナウシカ」冒頭の「火の七日間」で「巨人兵」が世界を焼き尽くすシーンをイメージしたのですが
なんだかダンスグループのPVの一部みたいになってしまいました(笑)
…………そして、その地獄絵図を目の当たりにして、ナビス皇帝はついに一族の中ではじめて、心から恐怖し、そして号泣しました。
皇帝ナビスは、己の帝国の終わりを予見し、絶望すると、最後の行動を起こします。
それは、人間達を、人間達の街を焼き尽くすはずだった兵器の、最初の完成品。
ナビス皇帝はキャップの冠が吹き飛ぶほどの勢いで、焼夷弾めがけて釘を振り下ろします。
ナビス帝国もろとも、人間達を道連れにするために…………………!!!
これが、栄華と支配の限りを尽くしたナビス皇帝、その一族の最期となります。
ナビス皇帝の最期としては、「こっそりと帝国内からナビスヘリコプターで脱出しようとするも、
元甲子園出場経験のあるエースピッチャーだった駆除隊員の投げた石が飛び立ったヘリコプターにジャストミートし、
あわれヘリコプターは墜落、爆発四散!!」というのも考えていたのですが、「あのナビス皇帝が国民を見捨てて逃げ出すような真似をするだろうか……?」
という考えに至り、ナビス皇帝自ら築き上げ、守ってきた帝国と共に散る、という最後になりました。
たしかに最初の代の頃のナビス皇帝は、残忍な独裁者でした。ですが、「最後のナビス皇帝」もそうだったと言えるでしょうか?
すべての戦いは、ナビス達を、国民達を守り、そしてさらに繁栄させるため…………。
かくして、ナビス皇帝の最期の抵抗である爆発によって、駆除隊員達は殺虫剤散布を止めざるを得なくなりました。
その一方、山小屋の外でもまた地獄絵図!!
一斗缶の基地には大きな石を投げつけられて粉砕され、滑走路は引っ剥がされ、誘導灯も、ナビスの苗も皆引っこ抜かれ……
やがてナビス戦闘機部隊が帰還しますが、滑走路も誘導灯もなくなり上空で右往左往。
そこへジェットノズルが浴びせられ、これまた一網打尽…………
が、その時墜落したナビス戦闘機の一部が山小屋を直撃!!山小屋は外部からも炎上してしまいます!!!
次回ついに、ナビス帝国最後の夜…………その時、藤島さん達の運命は!?
ナビス3 #22「決着」
【ナビス戦争・とある保健所職員の手記編】
ナビス皇帝の「自爆」によって、山小屋内は炎上し、床や発電所代わりに使っていたバッテリーなどに引火して火の手はどんどん広がります。
脱出を急ごうとした藤島達が見たものは、壁の小さな隙間から脱出するパープル・リリパット達。
藤島達は機転を利かせ、崩した一斗缶ビルの残骸を積み上げて壁の隙間を完全に封鎖してしまいます。
そして藤島達は山小屋から脱出し、戸を閉めて炎上するナビス帝国を封鎖すると、すでに連絡されていた消防隊の到着を待つ間に
周囲の草やゴミを片付け、なんとか山火事だけは防ごうとします。(この時、ナビス帝国の畑から抜き取られた苗も火の中に焚べられたと思われます。)
燃え盛るナビス帝国の中では、脱出できなくなって泣き叫ぶ大人ナビス達が……行き場を失って泣きわめく赤ちゃんナビス達が…………
そして殺虫剤を浴びせられて殺された物言わぬナビス達の亡骸が………………炎に包まれて消えていきます。
やがて外には、焼きナスの香りが……しかし、藤島はもう「焼きナスで一杯」なんて気分ではないようです。
そこへ、上空を埋め尽くすナビス戦闘機。山中のナビス道路を駆け上がるナビス戦車にナビス兵達。
首都の異変に気づいて、各地に点在していたナビス軍が戻ってきたのです!!!
対峙する人間とパープル・リリパット。
日付はすでに変わり、12月31日午前2時。
人間とパープル・リリパット最後の戦いは……………人間たちの圧勝で幕を閉じ、山小屋の火災も消防隊の到着により鎮火されました。
そして、とある保健所職員「藤島」の手記も幕を下ろします。
パープル・リリパットに関する一切の口外は禁じられたものの、「何らかの形で真実を残しておきたかった」、
「ここに書かれていることはすべて私が体験した真実である。」と記して、藤島の手記は鍵付きの引き出しにしめやかに封印されました……………。
こうして、ナビス帝国の歴史が幕を閉じたのです。
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有賀ワイリー
「『どう生きて どうくたばるかなんぞはコイツら自身が決めればいいこと』…… 確かにワシは、そう言ったな。」
………………………………………。
有賀ワイリー
「だが、ワシは!ライトのやつも!!ライトが作ったロボット共も!!誰一人見捨てるつもりなんかなかったぞ!!!
これが!!こんな結末が!!コイツらが……ナビス共が、本当に望んだことなのか!??」
………………………………………。
有賀ワイリー
「心だと!?自由だと!?『帝国』だと!?ふざけるな!!!
そんなもの、最初からコイツらにはなかった!!!
あったのはキサマのいい加減な『筋書き』だけだ!!
筋書き通りに生まれ!筋書き通りに生かされ!そして筋書き通りに死んだ!!
それだけだ!!それだけがコイツらの『物語』だ!!!」
………………………………………!!
有賀ワイリー
「キサマも、ワシやライトの研究をバカにした科学者どもと同じだ!!
どうせキサマもこう思っているのだろう!!
『ロボットに心など必要ない!ゆくゆくは人間と戦争になるだけだ!』とな!
そうだ!!あのナビス共と同じようにな!!!」
………………………………………!
有賀ワイリー
「偽りの繁栄を与えられ、さんざん調子に乗せられた挙げ句、無様に滅ぼされるのなら!!
いっそ『モノ扱い』の方がまだマシだ!!だがもはやコイツらはキサマにとって『モノ』ですらない!!!
キサマの望む物語を作るための!!ただの使い捨ての『駒』だ!!!!!」
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KANDWA
「苦しみたければ、これからも好きなだけ苦しめ!!
自分(ワシ)は断じて自分(キサマ)を許さん!!!
キサマのせいで傷つけられた、物語の中の人間どもに!!
キサマのせいで滅ぼされ、無残に殺された『帝国』のナビスどもに!!
永遠に
呪われ
ろ!!!!!!」
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ナビス3 #23「終戦」
【ナビス戦争・終戦編】
かくして、#22にてナビス帝国の歴史が終わりました。
ですが、まだナビス戦争は終わりません。
人間による、最後の仕上げが残っているのだから。
パープル・リリパット駆除部隊の最終決戦から一夜明け、大晦日。
物語の視点は、藤島さんから再びナビスを育てていた主人公へ戻ります。
パープル・リリパットの進撃により、自宅待機を余儀なくされていた主人公の耳に入ったのは、
市役所からの「スズメバチ完全駆除のためのヘリコプターによる殺虫剤散布」を伝える放送でした。
そして主人公は確信します。今、全てが終わるのだと。
大規模な巣を叩いた後は、もう残りのパープル・リリパットを一掃するのみ。
ナビス達の戦闘機よりも遥かに上空から、ヘリコプターが殺虫剤……「死の灰」を振り撒きます。
遠征先でナビス帝国炎上の報を聞いたのか、長い旅の果てにナビス帝国のある山へと帰ろうとしていたナビスも……
あの最終決戦からどうにかして逃げ延び、電池の切れたナビス戦車を押しながら敗走していたナビス達も……
すでに力尽き、ゴミ袋を背に最期の時を待つだけとなった2匹のナビス達にも……
「死の灰」が、容赦なく包み込んでいきます。
そして、「ナビス」「ナビス2」最終回でおなじみの走馬灯演出。
今回は、ナビス帝国そのものの歴史の記憶になります。
自由への憧れを胸に、月夜へと飛び出したあの日。
新天地を求め、一心に突き進んだ日々。
旅の中で干からび、あるいは濁流に流されて散った幼い生命。
ついにたどり着いた新天地。
電池自動車の発明。機関銃の発明。戦闘機、戦車の発明……。
帝国の繁栄の象徴である山小屋の外の基地。
山小屋内に築かれたナビス達の大都市。
そして…………皇帝ナビスの最期。
「その戦争に、善悪などなかった。
互いが己の種を守るために全力で戦い、
そして力で勝る方が勝利した。
ただ、それだけの話である…………。」
などと偉そうに、今は亡き「はてなハイク」でも、Youtube版の動画説明文でも書きましたけど、
やっぱり当時の私には種の自由だの文明の是非だの偉そうに語るには、まだまだ若かったんだと思いますし、
今でもまだまだ若すぎると思います。
やがて視点は、ナビス帝国最後の夜に赤ちゃんナビスと共に脱出したナビスへ。
(#22で、辛うじて山小屋の外へ逃げ出した3匹の大人ナビスの中に、一匹だけ赤ちゃんナビスを連れて逃げていたナビスがいましたよね?)
山中を辛くも逃げ延びるも、「死の灰」を前にもう逃げられないと悟ったのか、
赤ちゃんナビスだけでも守ろうとビニールでくるみ、その身を「死の灰」が包みます。
死の灰が去り、ビニールでくるまれた赤ちゃんナビスだけは生き延びる事ができました。
しかし、赤ちゃんナビスを守ってくれたナビスはすでに亡骸に。
残された「最後のナビス」は、声を振り絞って泣きわめきます。
どんどん遠ざかっていき、小さくなっていく赤ちゃんナビスの姿と鳴き声が、悲しみと孤独をいっそう引き立てます。
その声は、いったい誰に届くのか。もう誰にも届かないのか……………………
次回、年が明け、「ナビス戦争」が終わり、
長い自宅待機から開放された主人公が
向かった先で、出会ったものは。
ついに「ナビス3」完結、
そして「ナビス」シリーズ完全完結。
最後まで、レッツ・ナビス!!