幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-
☆堕天使は水底に舞い降り、伝説を謡う。「幻日のヨハネ」×インティ・クリエイツが送るド本格メトロイドヴァニア!!!☆
ハード:Nintendo Switch/PS4/PS5/Xbox/Steam
流派:メトロイドヴァニア
操作性:あたたた
熱中度:あたたた
持続性:あたた
サウンド:あたたた
キャラクター:あたたたた
ストーリー:あたたた
難易度:あたた
お買い得度:あたた
快適度:あたたたた
お手軽度:あたた
はじめての方は【↓こちら】
あたたっ!!超ファミコシ珍拳伝承者・かん帝っ!!
ひでぶっ!!超ファミコシ珍拳伝承者・ドワ王っ!!
シュテムターン!!ドーモ!!超ファミコシ珍拳伝承者のザ・パートゥノです!!
遊びたてアッッツアツの独断採点拳をなるはやでお届けする、
「超ファミコシ珍拳EXPRESS」(略して「超ファミ珍EX」)、今回の停車駅は…………
「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」だぜっ!!!
【もくじ】
- 幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-
- 「幻日のヨハネ」とは
- 「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」のあらすじ
- 「遊びやすさ」を追求した結果開かれた、メトロイドヴァニアの新しい扉
- やさしいムズかしさ
- TIPS
- 深く蒼い水底で、燃ゆるもの ~総喝~
- 次回予告
「幻日のヨハネ」とは
幻日のヨハネ……原作アニメタイトル「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」は、「電撃G'sマガジン」の読者投稿企画から始まったスクールアイドルアニメ「ラブライブ!」シリーズの2作目、静岡県沼津市の地域振興にも貢献した「ラブライブ!サンシャイン!!」
のスクールアイドル 「Aqours」メンバーがファンタジー世界で活躍するスピンオフアニメ作品で、「ラブライブ!サンシャイン!!」とは異なり「堕天使ヨハネ」を自称する中二病女子「津島善子」が正式に「ヨハネ」の名で主人公となっている。
「Aqours」メンバー全員が異世界転生してしまった、という話ではなく「SUNSHINE in the MIRROR」の副題通り「ラブライブ!サンシャイン!!」とは鏡写しの世界、登場するAqoursメンバーは「ラブライブ!サンシャイン!!」の世界の同名のキャラとは全くの別人となっており……つまり、
「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」は、異世界の港町「ヌマヅ」を舞台に「堕天使ヨハネ」を名乗る占い屋ヨハネが、仲間と絆を深めたり異変と戦ったり歌ったりする2023年6月から全13話が放送されたファンタジーアニメだ!!!
「幻日のヨハネ」の企画はエイプリルフールのネタだったようだが、ネタはやがてTVアニメシリーズとして幻日、もとい現実になったっ!!
それはまさにヒョータンからコマどころかベイブレード、もといペガソルタ・エクレール*1が飛び出してきたかのごとく!!!
そして今!!ヒョータンから飛び出したアニメは、ゲームになった!!!
だけどオレたち、「幻日のヨハネ」はおろか「ラブライブ!」シリーズにほとんど触れてこなかったのだ。それがなぜ、このゲームを手にするに至ったのか!?
理由は明白だっ!!このゲーム「~BLAZE in the DEEPBLUE」を開発したのは、あのインティ・クリエイツだからだッ!!!
「ラブライブ!サンシャイン!!」のスピンオフとインティ・クリエイツが出会う時、いったいどんなゲームが生まれるのか!?アクションゲーマーとして、見届けない理由はないっ!!!
それにしても……どっかの格ゲーメーカーからお叱りが来そうなサブタイトルだこと……。
「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」のあらすじ
上京した「トカイ」での歌手デビューの夢破れ、母の言いつけで故郷の港町「ヌマヅ」へと帰郷した少女「ヨハネ」。
そこで待っていたのは、占い屋の開業、新たな力の目覚め、幼馴染との再会、新しい仲間との出会い、ヌマヅを襲う異変との戦い…………とにかくいろいろあったが、
ヨハネはもう独りではなくなった。そして、ヨハネの頼まれると断れないお人好しな性格が災いし(?)、やがてヨハネは占い屋よりも「何でも屋」として親しまれていくのだった。
だが…………ヌマヅに新たなる異変が起こる。
ヌマヅ近海に突如巨大なダンジョンが浮上したのだ。
ダンジョンという非日常の存在にヌマヅ市民が湧き立つ中、ヌマヅ行政局執務長官「ダイヤ」とその妹分の妖精「ルビィ」が先行してダンジョン調査に乗り出すが、消息を絶ってしまう……!!
そればかりか、「チカ」「リコ」「カナン」「ハナマル」「マリ」「ヨウ」……ヨハネの仲間たちがひとり、またひとりとダンジョンに足を踏み入れ、消息を絶ってしまうのだった…………!!
最後に残されたヨハネは、相棒の喋る狼獣「ライラプス(CV:日笠陽子)」を連れ、誰に頼まれるまでもなく仲間達をダンジョンから連れ戻すべく、ダンジョンへと乗り込んだのだった!!
果たしてヨハネの仲間たちは無事なのか……
ダンジョンの最奥でヨハネを待つものとは……
このダンジョンが浮上した原因とは……?
はるか海底へと続く未知なるダンジョンを「舞台」に、
ヨハネと仲間たちの新たな冒険が、今始まる…………!!!
「遊びやすさ」を追求した結果開かれた、メトロイドヴァニアの新しい扉
というわけで「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」は、主人公の占い屋ヨハネを操作していくつものエリアに分かたれた海底ダンジョンを攻略し、仲間たちを助けながらダンジョンの真実に挑むアクションアドベンチャー……メトロイドヴァニアだ。
だがここで懸念がある。「インティ・クリエイツ」は元来「ロックマンゼロ」やら「蒼き雷霆ガンヴォルト」などなどでプレイヤーの指と精神をズタズタにしてきたドドド硬派・ドドド高難度アクションゲームメーカーだ。
そんなインティ・クリエイツが超大人気スクールアイドルアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」のスピンオフアニメに手を出すということは……
「アクションゲームをほとんどプレイしたことがないラブライバーがインティ・クリエイツ謹製のメトロイドヴァニアに手を出す」という可能性がある、ということだ。
インティ・クリエイツはその辺をわかっているのだろうか?インティ・クリエイツのことはおろか無印「ロックマン」すら知らないような純粋なラブライバーをいきなり即死上等、ノーミスノーダメージクリア大前提の超高難易度で叩きのめすようなマネはしないだろうか???
インティ・クリエイツのメトロイドヴァニアといえば「ロックマンゼクス」「ロックマンゼクスアドベント」だが、その印象はあまり良いものではなかった。
最近の作品でも、「悪魔城ぎゃる☆がん」こと「グリム・ガーディアンズ」は昔の「悪魔城ドラキュラ」のような面クリア型アクションゲームか、メトロイドヴァニアかどっちつかずな出来で不満点が多かった。
だが!!時代は流れ、インティ・クリエイツもWayForwardの「シャンティ」シリーズの手伝いをしたり、「ブラスターマスターゼロ」を作ったり、「Bloodstained:Curse of the Moon」シリーズを作ったりして、経験とノウハウを積み上げていった!!
また、インティ・クリエイツの作品はアニメ原作ゲームでも「クレヨンしんちゃん」などのキャラゲーを作ったりして好評を博していた!!
そして…………断言しようっ!!
「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」は、インティ・クリエイツが作り上げてきたメトロイドヴァニアの集大成だあっ!!!!!!
ヨハネ、「創造」し召喚する
「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」は、いままでのインティ・クリエイツ作品からは信じられないほどユーザーフレンドリーで、革新的なシステムを導入しつつ非常に遊びやすい作品に仕上がっていたっ!!!
「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」でも、敵を倒したりオブジェクトを破壊したりするとアイテムやお金が手に入る……のだが、ここですでに革新的要素が導入されている。
敵を倒し、オブジェクトて出てきたアイテムやお金は敵を倒したりオブジェクトを破壊した瞬間にヨハネの懐に入るのだ。
これでもう、倒した敵から飛び散ったコインを拾い集めたり、谷底に落ちたドロップアイテムを前に崩れ落ちることはもう、ないっ!!!
何なら、遠距離攻撃できる武器を使うことで遠くのオブジェクトを壊してアイテムをゲット、なんて芸当もできるのだ。
そうして集めたアイテムはどうするのかと言うと、ヨハネの能力である「スクラビル……もとい、「創造(キャスト)」という能力で素材アイテムを組み合わせて武器や防具を作るのだ。
「創造」はポーズメニューからすぐに行うことができ、創造できるアイテムが揃ったときに画面に「!」マークが出るのですぐにポーズして「創造」っ!!
「だだだだ ダークネスっ!」と完成した武具は、すぐさまポーズメニューから装備だ!!これはスピーディーで快適だぜ!!!
かつて超ファミコシ珍拳でプレイした「Bloodstained -Ritual of the Night- 」でも似たようなシステムがあったが、素材アイテムを錬成するには「錬金術師ヨハネス(あっ…こっちにも「ヨハネ」が……!!)」のいる拠点の街「アーヴァント村」まで戻らなければならなかった。
↑画像は「Bloodstained -Ritual of the Night-」のものです
「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」には、地上ヌマヅの「ヨハネの占い屋」という拠点があり、ゲーム中いつでもマップ画面からワープで戻れるのだが、その必要すら無くポーズメニューからすぐにアイテム生成ができるのはホンッットに快適だったぜ~~~っ!!!あたたっ!!
また、「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」にはレベルアップの概念はなく、ヨハネのHPとDP(ダークポイント。ヨハネの精神力であり後述の「召喚」で使用する。)の上限は装備した防具によって決まるのだ。
逆に考えると、手強いモンスターのいるエリアに迷い込んでも、なんとか素材を集めて強力な武器や防具を創造して装備すれば対応できるのだ。
このゲームでは、敵モンスターは回復アイテムを落とさない。回復アイテムは「ヨハネの占い屋」で購入するしかないのだ。
ゲームで手に入るお金の使い道は「ヨハネの占い屋」にしかない。占い屋でしか買えない各種回復アイテムや、強化アイテムはなるべく買っておこうぜっ!!備えあれば憂いなし、なのだっ!!!
ヨハネ、仲間とともに戦う
↑最初からヨハネと同行する狼獣「ライラプス」。仲間の中で唯一召喚にDPを消費しない。
↑最初のボスを倒すと仲間になる「チカ」。「ラブライブ!サンシャイン!!」では主人公の「高海千歌」。
実はヨハネ自身には戦闘能力はない。だが相棒の狼獣「ライラプス」をはじめとする「仲間」をYボタンで召喚して攻撃してもらうのだ。
ダンジョンに捕らえられた仲間たちは、マップ上の光る点の位置にいるのだが、その前には必ずボスが待ち構えている!!!
仲間が増えたらL・Rボタンで切り替えるか、そのどちらかを長押しで仲間切り替えメニューを呼び出して切り替えられるぜ。
またヨハネは武器を扱うこともできないが、ZRボタンで装備している「武器を召喚」することで武器に勝手に攻撃してもらって戦うこともできるのだ。
仲間と武器をほぼ同時に召喚することで、連続攻撃もできるぜ。
武器は主に前方に突き出したり、投げつけたりする「ダガー」、遠距離を攻撃できる「ボウガン」、振りは遅いが一撃必殺の「アックス」、そして方向キー入力で斜め方向にも攻撃できる「蛇腹剣」などの系統があるぜ。
ヨハネの仲間の攻撃には、特殊な効果や炎・氷・雷の属性がついていることがある。例えば最初に仲間になる「チカ」=サンの「バップガン」は威力こそ低いが、車輪のついたブロックをふっ飛ばして動かしたり、敵をひるませるだけでなく、敵の防御を破る力があるのだ。
他の仲間にも特定の足場や壁を破壊したり、仕掛けを動かしたり、攻撃から身を守ったり……役に立たない仲間なんて、ひとりたりともいないぜっ!!!
三属性はそれぞれ炎→氷→雷→炎……と三すくみになっていて、弱点である属性で攻撃すると大ダメージを与えられたり、倒せない敵でも弱点属性を突けば倒せるのだ。
ダイヤ様が仲間になるまで進めたが露骨にヒッフッハとセイハットゥをやらせるんじゃない!!www #Yohane_BitD #幻日のヨハネ #NintendoSwitch pic.twitter.com/ntjOk61KVq
— KANDWA C百新刊委託中 (@KANDWA) 2023年11月19日
ヌマヅ行政局執務長官「ダイヤ」=サンは雷属性のイオンブレードによる攻撃を行い、ボタン連打によって三段斬りを行うが掛け声がモロに某赤いエイユウを意識しまくっててインティ・クリエイツファンなら笑えるぜ。
さらに笑えるのが「ずらマル」こと「ハナマル」だっ!!
召喚するといきなり転倒するのだが、その勢いで超速ローリングアタック!!!敵に体当たり攻撃を繰り出すだけでなく、なんとトゲ床まで破壊してしまうのだっ!!!
インティ・クリエイツはそこら中にトゲ床を配置するだけでは飽き足らず、「Bloodstained:Curse of the Moon2」以降、ついにトゲ床を破壊することに執着し始めてしまったようだ。
そのトゲ床破壊の役割を心優しい天然方言田舎娘の
ハナマル=サンに与えた大バカ野郎は名乗り出ろ!!!!!
こんなシーン、絶対原作アニメにはないぞ!!!!!
武器やライラプス以外の仲間の召喚には、DPを消費するのだっ。
DPがなくなっても召喚はできるが、その場合DPの代わりにHPを消費するっ!!ひでぶっ!!!
ヨハネ、歌の力で覚醒する
モンスターを倒すと「楽譜」を落とすことがある。これを持っておくと、ヨハネのHPがゼロになったときに歌の力……主題歌「Deep Blue」が流れてヨハネが復活し、ワンコーラス流れきるまでの約1分間全ての攻撃がクリティカルになり、歌が終わった後もゲームを続行できる。
うん………………どう見ても、アレだ。
「アレ」……「蒼き雷霆ガンヴォルト」シリーズの「ソング・オブ・ディーヴァ」による「復活システム」は、正直発動するとスコアが0点になる、というペナルティが重く(3作目の「〜鎖環」で多少緩和はされたが)発動しても歓迎されるものではなかったが、
「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」はスコアを競うゲームではないので復活にペナルティは無い。「楽譜」さえ持っていれば復活は必ず発動するので、楽譜を手に入れられたらダメージを無視して強気で戦ってもいいぜ!!
そして、「楽譜」は敵が唯一「落とす」アイテムなので、取り忘れないように注意だぜっ!!
なお、万が一楽譜を持っていないときにヨハネのHPがゼロになったら、ライラプスがヨハネを占い屋まで脱出させてくれるぜ。
ヨハネ、仲間の頼みを聞く ~仲間強化クエスト~
↑「チカ」はダンジョン内で「仮面」をなくして困っているようだ。……そう、彼女には「裏の顔」がある。
↑「チカ」がなくした仮面は最序盤の「海底神殿」内にあり、すぐにでも取りに行けそうに見えるが……
仲間を救出した後で「ヨハネの占い屋」に戻ると、助けた仲間からのフルボイスのイベントが発生するぜ。
どうやらみんなダンジョンに捕らえられたときに、ダンジョン内に大事なものを落としてしまったようなのだ。「仲間強化クエスト」の発生だぜ!!
ダンジョン内で該当するアイテムを見つけて入手したら、再び「ヨハネの占い屋」に戻ると、入手したアイテムを該当するキャラに返すイベントが発生し、それ以降該当するキャラを選択中にZLボタンで強化能力を繰り出すことができるようになるぜ!!!
↑動物学者で魔法使いの「リコ」の強化クエストはリコを仲間にした時点ですぐに達成できる。
例えば炎の魔法を操る「リコ」は、通常の能力では正直出が遅すぎて戦闘では使いにくいが、強化能力が使えるようになれば地形を貫通する3連火炎ウェーブ……通称「リコちゃんビーム」がとても強力で、中盤はかなりお世話になったぜっ!!!
トゲをも砕くゴロン族顔負けの超速ローリングアタックの時点で笑える「ハナマル」も、強化能力だとさらに笑えるのだっ!!
状況を見ると笑い事ではないのだが……。何がいったいどうなるのかは、ハナマルの強化クエストを達成してのお楽しみだぜっ!!!
イイワスレテイタガ、強化クエストのアイテム入手を含めたダンジョン探索には、仲間の召喚だけでなくヨハネ自身の強化も必須だ。紫色の宝箱が目印だぜ!!
「海神の守り」で海底を歩けるようになり、「力のグローブ」で壁を登れるようになり、
そして「堕天使の翼の沓(くつ)」で待望の2段ジャンプも可能になるのだっ!!
探索にメリハリを与える「ランダムエリア」
海底ダンジョンの各エリアには1箇所ずつ、「ランダムエリア」と呼ばれる空間がおかしくなっている箇所があり、入るたびに部屋の構造が変わるのだ。
各部屋の光のゲートをくぐって次のエリアに進み、最後の金色の光のゲートから正規のルートに戻れる。
ランダムエリアの出入り口は一方通行になっているが、ランダムエリアの出口には必ずセーブポイントがあるので安心だぜ。
革命的セーブポイント
「メトロイドヴァニア」に限らず、ジャンルの確立やシリーズ化によって「暗黙のルールにして様式美」が設けられることが多い。
「メトロイドヴァニア」においては「オートセーブを導入せず、マップ内にセーブポイントを設ける」「各エリアはそれぞれのエリアにひとつだけあるワープ部屋で繋がっている」
「エリアが切り替わる時は必ず1画面の専用の通路が入る」「ボス戦前にかならずセーブポイントがある」「怪しい壁を攻撃して壊すと隠し通路がある」などなどだ。
「メトロイドヴァニア」共通の不満点……それは数百フロアもの広大なエリアが複雑に絡み合った巨大なマップの移動のめんどくささだっっ!!!
メトロイドヴァニアの原点である「メトロイド」の初期作品には、そもそもワープポイントがなかった。
現在「メトロイドヴァニア」と呼ばれるアクションアドベンチャーには上記の「エリアごとに一つずつあるワープ部屋」が設けられるようになったが、それでも移動がめんどくさいのはめんどくさいのだ。
「シャンティ」シリーズもそうだった。「ブラスフェマス」もそうだった。「Bloodstained -Ritual of the Night- 」もそうだった。そして……2023年1月に独断採点拳した「TOMOMI」もそうだった……!
だが!「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」では、上記のうち「オートセーブを導入せず、マップ内にセーブポイントを設ける」「各エリアはそれぞれのエリアにひとつだけあるワープ部屋で繋がっている」という様式美を打ち破った革新的な変更点をもうけ、より遊びやすく仕上げているっ!!!
「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」では、ワープ部屋がない代わりにセーブポイントすべてがワープポイントを兼ねており、一度訪れたセーブポイントは「ヨハネの占い屋」同様いつでもマップ画面からワープできるんだぜ。
灯台めいた形のセーブポイントにタッチすればHP・DPが回復するし、しかもボス戦の最中ですらワープできるので、ピンチの時はマップ画面からワープポイントへ駆け込めばそうそうやられることはないのだっ!!
これにより、新しい仲間の加入によって新たに進めるようになった場所まで戻るのも非常に快適っ!!
「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」のクリア時間は7時間ほどだったが、これが従来の「各エリアはそれぞれのエリアにひとつだけあるワープ部屋で繋がっている」仕様だったら、プレイ時間が倍になっていたと思うぜ。
やさしいムズかしさ
↑ワーシマー島に座す魔王「マリ」。その力は絶大でまさに仲間になれば後悔することなどないが、インティ・クリエイツ社員は彼女を実装したことを後悔したかも知れない。
↑これがインティ・クリエイツ史上最強最悪の能力になろうとは……
とまあ、こんな感じで本作はこれまでのインティ・クリエイツ作品とは考えられないほどユーザーフレンドリーで、難しすぎるアクションシーンもなく、はじめてアクションゲームに触れるプレイヤーにも楽しみやすい作品だった。
ゲーム初心者でも、ラブライバーでも、インティ・クリエイツマニアでも楽しめつつ誰でもエンディングまで遊んで欲しい、という強い願いが込められている。
だが……それゆえに大きな問題もある。「ゲーム性すら『凍結』しかねないとんでもないキャラと能力がある」ことだ。
ゲーム終盤で仲間になるワーシマー島に座す魔王……「マリ」様の存在だ。彼女は「魔王」という肩書に似つかわしくないほど優しく、ヨハネへの信頼と待遇も実際ブ厚い*2。「魔王を味方につけたこと、後悔させないわよ。」の台詞に見合う圧倒的信頼感があり、
通常能力も画面横いっぱいにすべてを貫通する多段ヒット攻撃、と強力だが、クエストを達成して強化能力を開放すると、なんと「一定時間時間を凍らせて完全停止させ、しかも全てのボスにも効果がある」というとんでもない能力が使えるようになるのだ!!!
マリ様の強化クエストを達成するには、最低でも「ルビィ」と「ヨウ」を仲間にする必要があるので、使用可能になるのがほぼ終盤、というのが救いか……。
過去の無印「ロックマン」シリーズでも「時間を止める特殊武器」はあったが、「武器エネルギー消費が激しい」「時間を止めている間は攻撃できない」「弱点ではないボスには効果がない」などのデメリットがあったモンだ。
オレがマリ様の強化能力の情報を聞いて思い浮かんだのは、「白き鋼鉄のX2」のボス「ヘイル」から得られるEXウェポン「タイムフリーザー」だったが、それですら「一定時間プレイヤーキャラ以外の動きをスローにする」に留められていた。
「白き鋼鉄のX2」では、それだけでも十分強力だったのだが……
↑「白き鋼鉄のX2」のボス、「ヘイル」
しか本作のマリ様の強化能力は装備によってDP上限を増やしたり、仲間召喚のDP消費を軽減したり、DP回復アイテムを使いまくることで連発ができてしまう!!これが引き起こすことはただひとつ……雑魚もボスもラスボスもみーーーんな凍らせて一方的にタコ殴り、だ。そこには「難易度調整」も意味をなさず「攻略」すらも成立しない。
インティ・クリエイツは加速していく自社作品の難易度上昇に反省し、「蒼き雷霆ガンヴォルト」では特定条件でダメージを無効化する「電磁結界(カゲロウ)」や「ソング・オブ・ディーヴァ」による復活など、とりあえずクリアはできるようにと初心者救済要素(上級者、やりこみ勢にとって喜ばしいかはともかく)を入れてきたが、今回ばかりは少々やりすぎな気がするぜ。
もし本作のアクション監修に稲船敬二=サンがいたら、こんな仕様は絶対に許さなかっただろうな。
TIPS
創造(キャスト)
創造できる武具が現在装備している武具より弱いものでも、とりあえず創造しておいたほうがいい。
あとでより強力な武具の素材にできるかも知れない。
武器の選び方
武器の選び方は個々のプレイスタイル次第だが、ザコ敵を確実に倒すなら一撃の威力が高く攻撃範囲の広いアックス系、
ボス戦では硬直時間の短いダガー系や蛇腹剣系、遠距離から攻撃できるボウガン系と使い分けるとよい。
防具の選び方
ヨハネの装備はHPやDPの増加量だけでなく、付与される効果を優先して選んだほうがいい。
ステータス低下・状態異常無効化、特定属性のダメージ軽減などの効果が強力だ。
オシャレ指南書
紫色の宝箱から「オシャレ指南書」を手に入れると、ヨハネの防具の装備枠がひとつ増える。
素材集め
素材を求めるのなら、ランダムエリアを周回するのも手だ。
2回目以降は宝箱の出現確率も上がる。
エリアの同時進行
本作では必ずしもボスを倒さなければ次のエリアに進めない、というわけでもないので
場合によっては複数のエリアを同時に進めることも可能である。
行き詰まったら、他のエリアに行ける道がないか探すのも手だ。
寿司のような魔物
ダンジョンの中には、寿司のような姿をした魔物が確認されている。
倒した際に、低確率ではあるが希少な素材を落とすようだ。
力のグローブ
「力のグローブ」を手にれて壁を登れるようになったら、狭い縦穴では
壁から反対側の壁へと連続でジャンプすると「根性ゲージ」を消費せずに登れる。
ライラプスの強化
ライラプスの攻撃力が上がる防具を創造することができる。
【強化能力】ルビィ
ルビィの強化能力で出現するコットンキャンディモンスターは、
敵や敵弾以外のものを吸い込めることがある。
【強化能力】マリ
ヨハネが踏み続けていないと作動しないスイッチを踏んだ状態でマリの強化能力を使うと、
時間が凍結している間はヨハネがスイッチから離れてもスイッチは押されたままになる。
深く蒼い水底で、燃ゆるもの ~総喝~
そんなこんなでオレたちは、「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」を、
全マップ開放、全宝箱回収してクリアした!!!
特筆すべきは、やっぱりキャラクターのドット絵のグラフィック!!前作「グリム・ガーディアンズ」よりもキャラクターの顔、表情がしっかりと描き込まれ、グッと可愛らしくなった!!
見た目だけでなく、ヨハネをしゃがませ続けると怯えだしたり、その他召喚したキャラクターのアクションなど、見ごたえがあるぜ!!!
ってか、全前作の「蒼き雷霆ガンヴォルト鎖環」のキャラのドット絵はちゃんとしていたので「グリム・ガーディアンズ」の操作キャラのドット絵だけはマジで何があったんだよって言いたくなる。
なぜ海底からダンジョンが浮上したのか……
なぜヨハネの仲間たちがダンジョンに足を踏み入れ、そして因われたのか……
なぜダンジョン内のモンスターは深海魚や古代海洋生物の姿をしているのか……
なぜモンスターが「楽譜」を持っていて、「楽譜」に刻まれた「歌」がヨハネに力を与えるのか……
「深く蒼い水底で、燃ゆるもの(ブレイズインザディープブルー)」とは結局何だったのか……
このゲーム専用に書き起こされた 「Aqours」の新曲「Deep Blue」の歌詞の意味とは……
その答えは、すべてのボスを倒すと開く扉の先の、更にその先にあった!!!
───そして、「ラブライブ!サンシャイン!!」と「幻日のヨハネ」、鏡合わせの2つの世界はこのゲームをもって一瞬だけ、ほんの一瞬だけ重なったのだ。
そして最終決戦の先に待つエンディングとスタッフロールは、優しさに溢れたこのゲームの結末に相応しい、心温まるものだった。
そして堕天使は、仲間とともに「歌姫」として、伝説になった。
そう!このゲームは「ヨハネの伝説 ブレイズインザディープブルー」だったのだ!!!!
それと同時に「『幻日のヨハネ』だけでなく『ラブライブ!サンシャイン!!』も忘れないで!!」というメッセージも感じた!!
調べてみたら、「Aqours」結成からもう8周年らしいからなあ。「忘れないで!!」とも言いたくなるぜっ!!
やっぱり、女の子がいっぱい登場してフルボイスでしゃべるゲームはいいものだ!!!
さらに欲を言えば、「ヨハネの占い屋」で「蒼き雷霆ガンヴォルト」でおなじみの「トークルーム」的なものがあればなおよかったのだが……
さすがにそれは声優のギャラやスケジュール的に厳しかったのだろうか。
あとこのゲーム、一応フルプライスのゲームなのだが、ボリューム的にはいつものインティ・クリエイツのDL専売のゲームとあまり変わらない印象だった。
残りの半額は「幻日のヨハネ」への版権料と声優へのギャラと考えるしかないのか?
マップ開放率、アイテム回収率がセーブデータ画面などに表示されないし、クリア後のお楽しみもほぼ無きに等しいのがちょっと寂しかったしな。
マップのボリュームは十分フルプライスのゲームに相応しいボリュームがあったと思うぜ。
セーブ&ワープポイントのシステムの出来がいいので、他のメトロイドヴァニアよりもスムーズに進められる分、短く感じられてしまったのかも知れないな。
さて2023年1月に「TOMOMI」を独断採点拳したときに、俺は「サクッと遊びながらメトロイドヴァニアの基本と様式が学べるインディーゲーム・メトロイドヴァニア界の貴重な「入門作」として、メトロイドヴァニア初心者にオススメできるタイトルと言えるだろう。」と言った。
では「TOMOMI」をクリアしたときにオススメするゲームは何か?やはり「Nintendo Switch Online」に加入してジャンルの大元祖「メトロイド」「スーパーメトロイド」をやってもらうか……?そこに「ウェイタミニッツ(少し待て)!!!」と言えるようになった!!
もちろん「TOMOMI」で基本を学んだ次にオススメするのは……「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」でキマリだ!!!
ただ、「幻日のヨハネ」を勧めた人はメトロイドヴァニアの楽しさを学ぶ前にラブライバーになってしまう可能性が高いが、べつに悪いことではないので生暖かく見守ってやろうぜ。
奥義・独断陰陽双喝破!!!
あたた秘孔:
・「幻日のヨハネ」のキャラクターの魅力を引き出す、顔立ちから動きの一つ一つまで洗練されたキャラクタードット絵!!
・「Aqours」メンバー全員はもちろん登場キャラクター全員にフルボイスの会話シーンあり!!
・今までのインティ・クリエイツのゲームからは考えられないほどユーザーフレンドリーで、面倒がほとんどなく難しすぎず誰でも最後まで快適に楽しめる!!
・ラブライバーだけでなく、インティ・クリエイツファンでもニヤリとさせる小ネタやモンスターデザインも秀逸!!
・素材が集まったらその場で武器や防具を「創造(キャスト)」!!強い装備が揃えばヨハネはどんどん強くなる!!
・ボスを倒し、助けた仲間と共に戦い、困難を乗り越え行動範囲を広げる王道的アクションアドベンチャー!!
・強化クエストを達成して、仲間の強化能力を開放!!原作アニメの要素も踏襲!!
・原作アニメではまず拝めない、ブッ飛んだ攻撃方法を持つキャラクターも!??
・これまた美麗なドット絵で描かれる、多彩なロケーションの各エリア!!
・セーブポイントをワープポイントにする掟破りのシステムで、広大なダンジョン内の快適な移動を実現!!!また拠点である「ヨハネの占い屋」にもいつでも戻れる!!
・「Aqours」の完全新曲「Deep Blue」を収録し、ゲーム内でもヨハネの復活曲として効果的に活用!!
・スタッフロールで「戦ってきたボスキャラのその後」が描かれるゲームは良作!!!
ひでぶ秘孔:
・「蒼き雷霆ガンヴォルト」シリーズでおなじみの「トークルーム」的なものが欲しかった。
・クリア後のマップ到達率、アイテム回収率が表示されず、2周目やクリア後のお楽しみもない。
・上記も含め、フルプライスのゲームなのにいつものDL販売のゲームとボリュームが変わらないように感じた。
・魔王「マリ」様の強化能力「時間凍結」がゲーム性まで凍結させるレベルで強すぎる。
次回予告
さて、「超ファミ珍EX」次回の停車駅は「御伽活劇 豆狸のバケル オラクル祭太郎の祭難!!」だぜ。
去る2023年6月21日っ!!Nintendo Directで初めて公開された日から、絶対にプレイすると決めていた!!!
「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム」のクリアを急いだのも!!「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」のクリアを急いだのも!!全てはこのゲームのため!!!
なぜなら、オレたちの青春「がんばれゴエモン」シリーズを手掛けたスタッフの会社「グッドフィール」が送る、「がんばれゴエモン」の精神的続編作!!それが「豆狸のバケル」だからだっ!!!
抱腹絶倒!!荒唐無稽!!悪祭退散!!大化(おおばけ)御免っ!!!
江戸情緒と近代技術が融合し、おとぎ話の英雄が実在し47都道府県に分かたれた誰も見たことのない日本で、お祭り怪人「オラクル祭太郎」を倒すため令和新ヒーロー「豆狸のバケル」が立ち上がる!!!
3Dアクション、レーシング、シューティング、そして巨大ロボットボクシング!?なんでもあり、ボリューム満点の大冒険のはじまりだあっ!!!
だが……言い換えるなら本作はグッドフィールから古巣コナミへの「絶縁状」でもある。
同様にコナミを抜けた「IGA」=サンこと「五十嵐孝司」=サンが「Bloodstained -Ritual of the Night-」を出した後、IGA=サンは「Bloodstained」のシリーズ化に成功したか?
カプコンを抜けた稲船敬二=サンが「Mighty No.9」を出した後、稲船=サンは「ロックマン11」の開発に携わることができたか?……そういうことだ。
グッドフィールがコナミに黙って「がんばれゴエモン」の精神的続編を出すということは、コナミの逆鱗に触れて今後一切「がんばれゴエモン」シリーズの新作どころか、過去作の移植・リメイクも絶望的になってしまうかもしれない!!
それだけの覚悟が伴う所業なのだ!!!
……「豆狸のバケル」は、そこまでの覚悟を背負い切れるだろうか?
その覚悟に見合う面白さになったのだろうか???
さて、いよいよビッグ・ミソカが迫る……「超ファミコシ珍拳2023 あたた快真撃!!!」は、その時までに間に合うのだろうかっ!?
間に合おうと、間に合うまいと、俺は2024年を目指して前進するしかないっ!!!
それじゃ、次の停車駅までカラテを鍛えて待っていてくれよ。
オタッシャデー!!
【超ファミコシ珍拳EXPRESS 次回に続く!!!】